【特別区経験者採用】面接カード(職務経歴書)の注意点5選

今回は特別区経験者採用 面接カード作成時の注意点5選というテーマでお届けしたいと思います。

いよいよ特別区経験者採用試験、今年度の申込みが始まったということで、皆さん方も早速エントリーしようかなと考えていると思うんですけれども。

特別区経験者採用においては、エントリーのタイミングで面接カード(職務経歴書)を提出する必要がございます。そしてこの面接カードというのは当然、面接試験で使われることになりますし、この面接カードを軸に面接が進んでいくことになりますので、非常に重要な資料と言えようかと思います。

重ねて申し上げますと、今回提出することになる面接カードは、最終合格後に行われる区面接においても面接官の手元に基本的には置かれる資料になります。その意味では、最初から最後まで非常に重要な資料であると言えようかと思います。

ですけれども、皆さん方としては、どういうところに注意して書いたらいいのかあんまり分からないとか、今回初めて受けるのでポイントがよく分からない、そういう方も非常に多いと思います。

ですので、諸々注意してほしいポイントは山ほどあるわけですけれども、今回はその中でも5つに絞り込んだ上で、皆さん方にここは最低限注意しましょうということをご案内していきたいと思います。

①表記の統一

1つ目が、表記の統一であります。

皆さん方が面接カードを書くときって、たくさん色々な言葉をそこに書いていくと思うんですよ。その中の言葉として、例えばここでは「とりくみ」という言葉を考えてみましょう。

この「とりくみ」という言葉、書き方や表記に色々なものがあると思うんですよね。例えば1つ目としては、漢字2文字で「取組」という風に書くパターンがあり得ますよね。でもそれだけではなくて、例えば漢字2文字とひらがな1文字で「取組み」と書くケースもあると思うんですよ。

あるいはそれ以外にも、漢字2文字とひらがな2文字で「取り組み」という風に4文字で表記するパターンもあると思うんですね。どれだとダメということはまったくございません。どれも妥当だとは思うんですけれども。

ただし、例えば設問1では「取組」になっているのに、設問2では「取組み」の3文字バージョンを書いている。これがいわゆる表記に揺れがある・表記が統一されていないという意味であります。

それ以外にも、非常によく見かけるものの1つに「こども」という言葉がありますね。漢字2文字で「子供」と書くケースもあると思うんですけれども、それだけではなくて、例えば「子ども」という表記もありえようかと思います。これも先ほどの話と同じで、どっちが正しいとかそういう話では必ずしもないんですね。

でも非常に重要なのが、どっちかに統一されているということなんですよね。じゃあどうしてそれが統一されてたほうがいいのか?ということなんですけども。

公用文すなわち公務員の方々が書いている文章というのは、このあたりの表記が完全に統一されてるからなんですよね。

どうしてかというと、行政組織あるいは公務員というのは一般に文書主義というスタイルをとっています。すなわち文章を通じて様々な活動を展開していく。それが行政組織なんですね。

ですので、公務員の方々は一般の方と比較したときに、圧倒的に言葉づかいをすごく大切にしている。だからこそ、こういった表記の不統一には非常に敏感でいらっしゃるんですよね。

といったこともございますので、面接カードが統一されていないと、やっぱり読み手である面接官すなわち現職の公務員から見たときにちょっと違和感あるなという形にもなりかねませんので、自分が書く言葉について表記を統一していくこと、ぜひ意識していただければと思います。

②文体の統一

2つ目が、文体の統一であります。これは簡単に言ってしまいますと、「です・ます調」か「だ・である調」どちらかに統一しましょうということです。

特別区の面接カードの場合、設問1~4まで文章を書かなくてはいけないわけですよね。

例えばよく見かけるのが、設問1~3はです・ます調で書かれているのに、設問4だけなぜかだ・である調になっているとか。あるいは、設問1の途中まではです・ます調なのに、なぜか一番最後だけだ・である調になっているとか。文体が統一されていないことがすごく多いんですよね。

それって、先ほどの公務員の方が文章をとても大事にしてる人たちなんですという話とも絡むんですけども。やっぱりどう見てもみっともないですよね。すなわち、たぶんこの文章ってちゃんと推敲したものじゃないんだろうなというのが一発で伝わってしまいますよね。

そうなりますと、どう考えても多少なりネガティブな影響が及びそうだなという感じがしますよね。もちろんですね、だ・である調とです・ます調がちょっと混ざっている、これだけで不合格になっちゃうということは私はないとは思います。

でも、特別区経験者採用においては数点で合否が分かれてくるわけじゃないですか。ということを考えますと、やっぱりしっかりだ・である調にするのかです・ます調にするのか、このあたりを統一させておくことは大事かなと思います。

参考までに申し上げておきますと、です・ます調とだ・である調、どちらのほうが優れているということはないんですけども、私個人の好みとしてはです・ます調のほうがいいかなと思ってます。

というのは、です・ます調のほうが文章を読んだときに、マイルドだな・丁寧だなという印象を与えられると思うからですね。もちろんこれは、だ・である調を完全に排除するものではありませんけれども、参考までに私の好みをお伝えした次第です。

でも、どちらのスタイルでいくにせよ、だ・である調なのかです・ます調なのか、このあたりをしっかり統一していくことは大事にしていただきたいなと思います。

③「全て」に答える

3つ目が、問われていること全てに答えるということであります。どういうことかを説明するために、ここでは令和5年度の設問1を引用しながらご案内していきたいと思います。

【設問1】あなたが特別区職員を志望する理由を、あなたのこれまでの職務経験や専門知識を踏まえ、携わりたい職務と、その職務を通じて実現したいことを交えて入力してください。

これをご覧いただくと、特に中核的に問われていることが4つあるのをご理解いただけるでしょうか。

①志望動機
②職務経験
③携わりたい職務
④実現したいこと

しかし、これは毎年必ず起こることなんですけども。この4つのうち一部にしか答えていないという面接カードがとっても多いんですよ。

例えば、4つのことを問われているのに志望理由と携わりたい職務しか書かれていないとか、あるいはこれまでの職務経験と実現したいことしか書かれていないとか。こういう風に、問われたこと全てに答えてないですよね?という面接カードが本当に多いんですよ。

ですので、ぜひ皆さん方も、設問1~4まで自分が問われていることはそもそも何なんだろうか?それらに対して自分はしっかり回答できているか?このあたりをよくよくチェックしてみていただきたいなと思います。

④エピソードは1つに集中

4つ目が、エピソードは1つに集中することであります。ここに関しては、設問1は除外して設問2~4までの話だと考えていただければと思うんですけども。そこで自分が引用するエピソードというのは、基本的には1つに集中したほうがいいと私自身は考えます。

なぜなのか?ここでは強烈な理由が2つございます。1つ目が、320字しか書けないからであります。

皆さん方もすでにエントリーの内容ですね、面接カードでどんなことを書かなきゃいけないのかご自身なりにたぶん把握されてると思うんですけれども。それらの設問、320字以内でしか書けないんですよ。

320字って実際に入力してみる・書いてみると分かると思うんですけども、細かいことまで書ける分量じゃあないんですよ。すなわちすごくタイトなんですよね。ちょびっとしか書けない。

それを考えたときに、2つも3つもエピソードが書けるかというと、どう考えても僕はできないと思うんですよね。

よしんば2つのエピソードを入れたとしても、おそらくどちらのエピソードも非常に薄ぼんやりした抽象度が極めて高いものになってしまって、面接官に結局何も伝わらないということにもなりかねないと私は考えます。ですので私自身、エピソードは1つに絞るべきだと考えています。これが1つ目の理由ですね。

2つ目が、「他には攻撃」への対策であります。これはまた後の記事で、特別区経験者採用の面接についてご案内したいと思っていますけれども。

特別区経験者採用における面接名物の1つに「他には攻撃」というものがございます。これは何かと申しますと、面接カードに書かれているエピソードについて面接でつらつら説明しますよね。そのあとで面接官が「あ~なるほど~。じゃあ他にこういうエピソードありませんか?」と、とにかく他には?他には?と追求してくることを特別区名物「他には攻撃」という風に称しておきます。

基本的に特別区においては、こういった「他には攻撃」があるんですけども。これを考えたときに、なぜエピソードを複数書いてはいけないのかというと、そこに複数のエピソードを書いてしまうと予備のエピソードがなくなっちゃうじゃないですか。

2つも3つもエピソードを面接カードに書いてある。その上で他には?って言われたら、もうないよっていうことになっちゃうじゃないですか。

でも、1つ自分にとってのメインエピソードだけを書いておけば、他には?って聞かれたときにサブのエピソードとしてそれをスッと用意することができますよね。

このような特別区の特徴である「他には攻撃」を考えると、他のエピソードは基本的に予備の弾として取っておいたほうがいいんじゃないかと私自身は考えます。

ということで、いずれにしても、基本的には設問2~4まで書くエピソードというのは1つに集中したほうがいいというのが私の見解であります。

⑤細かい部分は諦める

5つ目が、細かい部分は諦めるということであります。これはすなわち、自分が書くエピソードの骨格部分だけを書きましょうということです。

どういうことだよ?といったときに最大の理由は何と言いましても、320字しか書けないからということなんですよ。

すなわち皆さん方としては、例えば自分がメインで出す1つのエピソードについて、あれもこれも細かい部分までできれば説明したいなって感じるはずなんですよ。

どうしてかというと、具体のレベルをドンドン引き上げて書いていけば、よりよく面接官に伝わるんじゃないかなと考えるのが人情ってもんですよね。おそらく人間本性だと思うんですよ。

ところが、そうは問屋が絶対一個も卸しませんのは、320字しか書けないということになると、具体の度合いを引き上げていきたいなと思っても書くに書けなくなってくるんですよね。

すなわち「こういう課題がありました→自分はこういう行動をとりました→最終的にこんな成果が得られました」せいぜいこのくらいしか書けないんですよね、残念ながら。

ということになってまいりますと、そこで書けるのは細かい部分ではなくて、ストーリーの骨格部分しか書けないんだということにどうしてもなってきてしまうんですね。

真面目な方ほど、これあんまり具体的じゃないな…って悩んでしまうんですけども、ここは細かい部分については諦める・詳細説明は面接に入ってからしよう、こういった割り切りもどこかで必ず必要になってきます。

かく申し上げる私自身が面接カードを書くときは、基本的にはストーリーの細部は捨てた上で、核となるところだけを書いていくというスタイルを使っていました。

ですので、皆さん方も、どうしてももっと具体的に書きたいなという気持ちはあると思うんですけども。現実的には320字以内という制約条件を考えるとそれは不可能だと思いますので、どこかで割り切って骨格だけ伝えて、あとの詳細は面接で話そうという気持ちを持っていただければなと思います。

ということで、本日皆さん方には面接カードを書く上で重要な5つの要素についてご案内しました。これらのポイントをおさえるだけでも、ある程度しっかりした内容にはなってくると思いますので、自分がそこで書くエピソード等を含めてまた再度検討していただければと思います。

ということで、今回の記事でお伝えしたい内容は以上となります。

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