【相談内容】
今年度の特別区経験者採用受験を検討しています。
昨年子供が生まれたことをきっかけに転職を考えるようになりました。
こんな理由で目指し始めてもいいのでしょうか?
他の受験生はどんな理由で特別区を目指しているのでしょうか?
【はじめに】
個人的には、どんな事情で特別区を目指してもいいんじゃないか、そういうふうに思っています。
実際、Gravityご利用者様の中でも、特別区への転職理由、様々な理由があるんですよね。
このあたりは人によってバラバラでありますので、なかなか一般化することってのは難しいんですけれども。
ただ、これまでの指導経験の範囲で、大体この三つが多いかなという理由がありますので、それぞれご案内をしていきたいと思います。
なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。
結婚・子ども
1つ目に、結婚や子育てを機にという方が非常に多い印象を受けますね。というのはですね、特別区経験者採用試験、例えば1級職の場合ですと、30代前半、あるいは30代の半ばぐらいの方、比較的たくさん受験をしているんですけれども、ちょうどこのぐらいの年齢って結婚なさる方、とっても多いですよね。
ということもあって、これから所帯持ちになると。家庭を持つということになるので、やっぱりかっちりした仕事、堅い仕事、そういうのに転職をしていきたいということで、特別区を目指し始めましたという方が非常に多いですね。
あとはそれと似ていますけれども、子供が生まれたのでという方も非常に多いですね。というのは、やっぱりお子さんが生まれると、その子を守らなきゃいけないっていう意識がすごく強く出るんでしょうね。
ですので、給料をしっかりもらえて、ボーナスもきちんともらえる、そして身分が安定している。そういう公務員に魅力を感じて転職を、という方が非常に多い印象を受けます。
ということで、このように結婚や子育てですね。こういったものを契機として特別区に転職していきたい、そういう理由をあげる方が非常に多い印象です。
労働環境・組織体質
2つ目に、労働環境や組織の体質を挙げる方も、これも非常に多い印象を受けます。
どういうことかと申しますと、まずは労働環境の方からですね。労働環境ってどういうことだよということになるわけですけれども、端的に申し上げてしまいますと、要するに、ブラック企業で、というようなお話ですね。
つまりです。労働時間が非常に長い。お家に帰れるのは夜遅く。
あるいは休日、祝日出勤あります、と。でも、残業代は出ません、みたいな。
そういう労働を強いられていて、とてもひどい環境だと。なので、公務員に転職して、少なくともまだマシな労働環境で働いていきたいという方、結構多い印象を受けます。
で、組織体質ってなんだよってお話なんですけれども、これはですね、会社の雰囲気だったりとか、社風みたいなものですかね。こういうものに段々ずれを感じ始めた、段々合わなくなってきたっていう方が結構いらっしゃるんですよね。
例えば、典型的なところで申し上げますと、金融機関にお勤めの方ですかね。金融業界に限りませんけれども、業界の競争構造が非常に激しいと。
もうバチバチにしのぎを削り合っているというのが金融業界の実態だと思うんですよ。ですので、入社したときよりもさらにノルマだったりとか、売上、数字ですよね。そういったものを求められるようになってしまって、心がすり減っていっているっていう方がすごく多いんですよね。
それ以外だと、例えばメーカーとか。グローバルな競争を展開しているような会社にお勤めの方ですね。
こういった組織にお勤めの場合には、要するに海外の企業ともバチバチに競争しなくてはいけないわけですよね。で、その競争がグローバリゼーションとともにどんどんどんどん激しくなってくる。
となってくると、当たり前なんですけれども、企業の収益ってのはどんどん削られていく方向に動きますよね。どんどんどんどん儲からなくなってくると。
そうなってくると何が起きるのかっていうと、現場レベルでの売り上げ目標だったりとか、営業、そういったものに対してのプレッシャーっていうのがどんどんどんどん強まってくるわけですよね。で、今まではそんなことなかったのに、ものすごい苛烈な数値目標を立てさせられて「とにかく売ってこい!」みたいな。
ということで、お客さんのことなんて一切考えずにとにかく自社の利潤だったりとか売り上げ、それに汲々と活動するしかなくなって、ちょっと疲れてしまったと。もうこの先この業界に未来がないような感じがする、ということで公務員に転職、という方も非常に多い感じがします。
で、今のお話は民間企業のお話だったんですけれども、例えば、現に公務員としてお勤めの方で組織体質が合わなくて、っていう方も結構いらっしゃいます。例えば、小さめの市役所にお勤めの方が結構おっしゃるのが、村社会だと。
先輩だったりとか、上司にとても物申せるような雰囲気ではないし、何かミスをしたらたちどころに庁舎内にその噂が流れ、常に誰かに見られているという感じがして、とても閉鎖的で、内向きだと。そういった組織風土や体質が自分には合わないので、特別区に転職していきたい、新天地を求めていきたい、そういう事情で転職を志す方もかなり大勢いらっしゃる印象ですね。
こういった労働環境や組織体質は、基本的には個人がどれだけ頑張っても変えられるものではありません。ですので、それを変えられないのであれば、自分自身が新たな労働環境、あるいは新たな組織、こういったところに移動することを通じて、より良い生活を求めていきたい、こういう事情の方も結構よく見かけますね。
より大きなフィールドで
3つ目に、より大きなフィールドで活躍したい。こういう方も比較的大勢いらっしゃいます。
これは民間企業でお勤めの方というよりは、どちらかというと、公務員として現に働いていて、とくに小さめの市役所で働いている方に多いかなという印象ですね。
というのもですね、小さめの市役所の場合には、例えば自分自身がこういうことをやってみたいな、新しいことに何かチャレンジしてみたいな、と思っても、組織の体質、あるいは財政的な余力がないということもあって、新しいことにチャレンジすること自体ができないということも結構多いんですよね。
それに対して、特別区の場合には新しいことにガンガンチャレンジしていこうよという雰囲気が、少なくとも地方の市役所と比較したときにはかなりあるように私には感じられます。それ以外に、例えば財政面の話にしても、もちろん財政状況が厳しいというのは特別区も同じですけれども、まだ地方の市役所に比べれば財政に余力がある。
少なくとも、資金面での体力があるというのは事実だろうと思います。そして何より、地方に比べて圧倒的に多くの人口が特別区には集中しています。
ということは、皆さん方が何か新しいことにチャレンジしたときに、それが及ぼすインパクトはとても大きなものになりますよね。ということで、新しいことにチャレンジできる雰囲気、そして財政力、そして人口、こういった様々な理由から、より大きなフィールドである特別区で新しい仕事にチャレンジしていきたい、取り組んでいきたい、こういうことで、地方の市役所から特別区への転職を志す方、結構多いです。
ですので、これを見てくださってる皆さん方の中には、例えば地方の市役所に勤務していて、特別区に転職していきたいという方もいらっしゃると思うんですけれども、今みたいな理由から、より大きなフィールドである特別区でチャレンジしていきたいという方、非常に大勢いらっしゃいますので「こんな理由で目指してもいいのかな…」そういうふうに引け目を感じる必要は一切ないと私自身は思います。
おわりに
ということで、今回は3つの理由をご案内いたしましたけれども、これが全てというわけではありません。
人には人の転職理由、人には人の乳酸菌ということでありまして、これ以外にも様々な理由から特別区への転職を志していらっしゃる方、大勢いらっしゃいます。
そして、この様々というお話は、受験生個々人の属性にもそのまま当てはまります。どういうことかと申しますと、大企業にお勤めの方もいれば、中小企業にお勤めの方もいらっしゃいます。
あるいは、正規の職員として働いてらっしゃる方もいれば、非正規で頑張ってらっしゃる方もいる。学歴が高い方もいらっしゃれば、そうでない方もいらっしゃいます。
ですけれども、公務員への転職、あるいは特別区への転職を考えたときに、特別区経験者採用が非常にいいなと思うポイントの一つが「そういった属性をとっぱらって、フラットにどの受験生も見てもらえる」というところであります。すなわち、質問者さんや、これを見てくださってる皆さん方がどんな属性を持っていても、あるいはどんな理由から特別区を目指し始めたのにせよ、皆さん方はフェアに取り扱ってもらえるということであります。
ですので、自分自身が特別目指している理由が、たとえ自分から見たときに「こんなのでいいのかな…」というものであったとしても、一切それを気にする必要はありません。自分自身が特別区を目指している理由を決して卑下することなく、前向きな姿勢で特別区の受験を検討していただければなというふうに思っております。
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