【相談内容】
特別区経験者採用に最終合格しましたが、区面接(第1提示)で落ちました。
考えたくありませんが、経験者採用での採用漏れはあり得るのでしょうか?
先生が指導なさった方で、経験者採用で採用漏れとなった人は過去にいましたか?
【はじめに】
実はこの採用漏れ、あるいは「第1提示で落ちてしまいました」という方から、かなりの数お問合せをいただいております。
ですので、この際、私なりの見解を申し述べたいと思います。
なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。
採用漏れはあり得る
結論から申し上げますと、採用漏れという可能性は十二分にあると私自身は考えております。「どうしてですか?」というところなんですけれども。
まず、特別区人事委員会自体が、この採用漏れに関してきちんと言及しているからなんですね。特別区人事委員会は採用漏れについて、公式HPでこのように言及しています。
ただし、欠員状況によっては提示されず、その結果、採用されない場合もあります。最終合格が採用内定ではないことにご注意ください。
つまり「採用されない場合はあります」と、公式が明言をしているんですね。ということは、やはり可能性として、採用漏れになることは大いにあり得ると考える方が自然ではないかと私は思います。
そして、そもそも論になってしまうんですけれども、特別区経験者採用の採用予定者数と最終合格者数の間には、かなり数としてギャップが存在していますよね。例えば、2022年の1級職事務に限定いたしますと、各区の採用予定者数つまり「うちの区は何人採ります」そういったものを足し合わせた数が大体140名くらいになっております。
それに対して、最終合格者数はどのくらいだったのかと言ったときに、大体210名が最終合格をしているわけですよね。
ということは、採用予定者数が140名しかいないにも関わらず、最終合格者数が210名もいるわけですから当然かなりギャップが存在するなと。じゃあ、このギャップになった人たちというのは一体どうなるんだろうか?ということですよね。
もちろん、この約70人のギャップというのが全員採用漏れになるという可能性はかなり低いと思います。なぜかと申しますと、この210名の最終合格者の中には「他の自治体から合格をもらったので、特別区は辞退します」という方も一定数いると考えられるからです。
しかし、この70人全員が内定を辞退する、あるいは合格を辞退するという事態はやや考えにくい。ということになりますと、やはり依然として採用予定者数と最終合格者数の間にはギャップが存在しているということになりますね。
となってくると、やはりこの方々の中には採用漏れになってしまう人たちも一定数出てくるのではないかと、私自身はそのように考えます。したがいまして「採用漏れはあり得ますか?」と聞かれたら、私としては「それはあり得るのではないか」と答える以外にない、そういう形になりますね。
私の指導経験
次に、私の指導経験の範囲で「経験者採用で採用漏れになってしまった人はいましたか?」というご質問ですけれども。
私の直接の指導経験の範囲では、採用漏れになってしまった方はいません。直接観測したことはないということですね(※2022年からは採用漏れを確認しています)。
しかし、よくよく考えてみていただきたいのが、私が直接指導している方々というのは、全受験生に占める割合としてはそこまで巨大なわけではありませんよね。すなわち、サンプルサイズとしては割合に小さい。
そして、何よりも「私の指導経験の範囲」と言ったときには、これはすなわち「過去そうでしたよ」という話に過ぎないわけですよね。つまり、私の指導経験というのは、当然ですけれどもこの2022年よりも前の話に過ぎないわけです。
これを2023年、2024年に即座に適用できるのかというと、決してそんなことはありませんよね。これから先一体どういう風になっていくんだろうか、ということに関しては、残念ながら誰にもわからない。
その意味では、もしかしたら経験者採用の方でも採用漏れが普通に発生する時代が到来したのかもしれません。
事実、他の区分ですよね、例えばⅠ類採用試験、いわゆる大卒程度と言われるもの。あるいは氷河期採用試験。
こういった他の区分・試験においては区面接で落ちましたとか、採用漏れになってしまいました、という方々が毎年のように発生しています。こういったことを踏まえますと、経験者採用でも、もしかしたら採用漏れが当たり前、あるいは区面接で落ちるのが当たり前、こういった時代が来たのかもしれません。
ですので、ぜひ来年以降の受験を考えている方々にあっては「もしかしたらそうなるかもしれない…」という可能性は把握しておいたほうがいいんじゃないかと思っております。
非常に大きな変化
しかし、いずれにいたしましても、この2022年からの変化というものが非常に大きな変化であることは間違いありません。というのは、例年第1提示で区面接に呼ばれて、その区に落ちてしまうなどということは発生していなかったわけです。
しかも、この第1提示で落ちてしまうというのは事務職だけの話ではないんですね。実際に技術職、専門職と言われる区分においても「第1提示で落ちてしまいました…」という方が発生しています。これは私自身が直接観測をしているので間違いございません。
しかも、話はそれで終わりません。実はこの変化というのは、部分的には区面接の前のタイミングから発生しています。
具体的には「どの区から連絡が来るのか」ということに関しても、非常に大きな変化がありました。
それは何かと申しますと「第1希望区以外から連絡が来た」という方がかなりの数発生しているんですね。つまり、第1希望区ではなくて、第2希望区・第3希望区、こういったところから連絡が来ているという方も一定数発生しています。
そして、中には第1、第2、第3ではない、全く関係のない区から区面接の連絡が来たという方も一定数出ているんですね。これらを総合してみますと、やはりこの2022年の変化は非常に大きい。
では、ここから受験生の皆さんとしてはどういったことを意識しなくてはいけないのかと言いますと、これは非常にシンプルでありまして「上位合格を目指す必要性が高まった」ということだと思います。
つまり、今年第2希望区や第3希望区、あるいは全く関係のない区から連絡が来てしまった方々の特徴としては「最終合格の順位があまり良くなかった」という共通点が見られます。それに対して、割合に上位で合格しましたという方々の場合には、皆第1希望区からきちんと連絡が来ています。
これまで経験者採用の場合には「最終合格してしまえば、第1希望区からきちんと連絡がくる」こういった時代が長年続いておりました。しかし、2022年に関しては明らかにそのトレンドに変化が生じています。
この観点から申しますと、2023年、2024年、こういったところで受験を検討してらっしゃる方々にあっては、可能な限り上位合格を目指すべきであると私自身は思います。ですので「とりあえず最終合格すればいい」ではなくて「可能な範囲で上位の合格を目指す」こういったマインドセットで以降の試験対策に励んでいただきたいと思っております。
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