【相談内容】
特別区経験者採用にICT職採用枠が新設されたことで、事務職の採用枠は減ることが予想されますでしょうか?
また、この影響で来年の事務職は難しくなる可能性があるのではと感じておりますが、先生のご意見を伺いたいです。
それと、去年Gravity様でお見かけした論文コース等は2023合格向けにリリース予定はございますか。
【はじめに】
まず1点目の「事務職の採用枠は減るのか」というご質問について。個人的な見解としては、多少なり減る方向に動くのではないかと考えています。理由を以下に述べましょう。
事務職の採用枠
「新たな枠・区分を作る」となれば、当然それに伴ってお金がかかります。ICT職の人材を新たに雇い入れるわけですから。
特別区に財政的なゆとりが十分あるのなら、他の区分の採用枠を減らさずにICT職を純粋に増やすこともできるでしょう。しかし、現状の特別区に財政的なゆとりが十分あるかといえば、決してそうではありません。
ICT職を増やすのであれば、他の区分・他の枠を減らすという打ち手を同時に打たざるを得ないのではないか。では、どこを減らすのか。一番候補に挙がりやすいのが事務職です。これまでICTやデジタルを担当する職員は、主に事務職から割り当てられていたからです。
最も自然な発想として、ICT職を新設して枠を増やす代わりに事務職の枠を減らす、という路線が現実的にあり得るでしょう。ですから、ICT職の枠が増える代わりに、事務職の枠は多少なり減る方向に動くのではないか、というのが私の見解です。
事務職の倍率
2つ目のご質問は、「事務職の採用人数が減れば、その分だけ倍率が上がるのか」というもの。個人的な見解としては、大幅にではないにしても、多少なり倍率は上がる方向に動くと考えています。
ここからの話は、ご相談をいただいた時点では正式な受験案内が公表されていなかったため、あくまで私なりの仮説・推測として読んでください。
まず非常に重要な仮定が、「そもそもICT職の採用人数はどのくらいになるのか」という点。23区+3組合のすべてが1人、2人と採用することはまずないでしょう。ここでは単純に、多くの区が「1人はICT職を採用する」と考えてみます。すると、おおよそ20人程度を採用すると予測できます。ICT職で20人の枠を作るなら、事務職の採用枠が20人分減る可能性が出てくるわけです。
では、「20人採用枠が減る」ことが倍率にどの程度のインパクトを持つのか。トレンドが大きく変化した年は参考になりませんので、「2021年度に、もし採用人数が20人減るというショックが起きていたら、倍率はどう動いたか」を考えてみましょう。
2021年度の1級職事務は、約1,300人が受験し、最終合格者数は約170人。倍率は約7.6倍でした。
仮に事務職の採用人数が20人少なかったとしたら、素朴に考えれば最終合格者数も20人少なくなるはず。約170人から20人削られて約150人が最終合格、受験者は約1,300人ですから、倍率は約8.6倍になります。つまり、採用人数が20人削られるというショックは、倍率にして1倍程度の上昇インパクトを持つと考えられるわけです。
ただし、この推測には1つ大きな欠陥があります。「事務職からICT職に乗り換える人たち」のインパクトを含めていないことです。ICT職が新設されれば、これまで事務職を受けていた人の中から「自分はSEをやっているからICT職のほうが相性がよい」と乗り換える人が一定数出てくるでしょう。そうなると事務職区分の受験者数そのものが少し減りますので、このインパクトを考慮しなければ、倍率がどの程度上がるかを正確に予測することはできません。
とはいえ、あくまで個人的な見解ですが、乗り換える人はそれほど多くないと見ています。Gravity生を例にとると、現在システムエンジニアをしている方、過去にシステム系の会社に勤めていた方もいますが、全体の5%にも満たない割合です。数としては非常に少ないと考えられます。
したがって、事務職からICT職へ乗り換える人は出てくるかもしれませんが、それほど大きな数にはならず、倍率が上昇するプレッシャーのほうが大きく効くのではないか、というのが私の見解です。
ただし、こうした話は特別区人事委員会から正式な受験案内、すなわち採用人数が公表されてからでないと、推測自体が非常に大雑把なものになります。受験を検討している方は、まず人事委員会からの公表を確認したうえで、私の話は参考程度に受け取ってください。
Gravityの講座
3つ目のご質問は、「昨年Gravityで見かけた論文コースは2023合格向けにリリース予定はあるか」というもの。大変申し訳ありませんが、「論文コース」単体のリリース予定はなく、2023年以降は論文と面接をすべてパッケージした「総合コース」のみの提供となっています。
理由はいくつかありますが、論文コースを提供した年、論文コースの受講生には職務経歴書の添削や面接対策講座をオプションで利用できるようにしていました。その結果、論文コースの利用者のほぼ100%が職務経歴書対策や面接対策の講座も利用することになり、総合コースだけの状態とほとんど変わらないところにほぼ全員が落ち着いたのです。そのため、特別区合格講座は総合コース1本で提供する形になりました。
特別区合格講座は、お申込みいただければすぐに学習をスタートできます。定員制で、埋まり次第、事務局が予告なく受付を締め切りますので、その点はご了承ください。
ちなみに、特別区経験者採用の本番の注意点については、下記の記事で詳しく解説しています。
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