今回は、特別区経験者採用 希望区の選び方というテーマでお話をしていきたいと思います。
いよいよ先週から、特別区経験者採用の申し込みが始まったということもございまして、経験者採用受験生の皆さん方から非常に多くの質問・相談を頂戴しております。
その中でも、やはり比較的多いものとして、
希望3区をどう選んだらいいのか?
これについて話して欲しいというお声を頂戴しております。
ですので、これまでの動画でご案内をしてきたことと重複する部分もございますけれども、この際皆さん方に希望区の選び方について基本的な考え方をお伝えしていきたいと思っております。
諸々話したいことがあるんですけれども、今回は特にご相談いただくことの多いポイントに絞り込んだ上で、皆さん方にお話をしていきたいと思います。
なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。
採用人数
まずは「採用人数で希望区を選ぶ」という考え方について、私なりの見解を申し上げたいと思います。
というのは、皆さん方からかなり多くいただく内容の1つに、「やっぱり採用人数が多い区を選んだ方がいいんでしょうか?」こういうのが結構あるんですよね。
結論から申し上げますと、私自身は採用人数の多寡で希望区を選ぶのはあまりオススメはしておりません。
どうしてなの?という理由をこれからご案内していきたいと思います。
おそらく、これを見てくださってる多くの方が、やっぱり採用人数が多い区の方が入りやすいんじゃないの?っていう風に考えてらっしゃると思うんですよ。確かに、直感的にはそんな感じがしますよね。
しかし、この考え方には明らかに問題があります。
例えば皆さん方は、採用人数が多い区の方が、自分が滑り込みやすそうだからそこを受験していく、こういう判断を下そうとしているわけですよね。
では、ちょっとだけ考えてみていただきたいのが、皆さん方がそう考えたときに、他の受験生たちはどういうことを考えるでしょうか?
これ、当たり前なんですけども、他の受験生だって全く同じことを考えるはずですよね。
皆さん方自身が「採用人数が多いところの方が入りやすそうだよな」という風に考えるのと全く同様に、他のライバルたちも同じように考えてくるわけですよね。
ということは、結局採用人数が多い区というのは、皆さん方だけじゃなくてライバルたちも大挙してそこを受験してくるわけですから、当たり前ですけれども「受ける人が多い」ということになってきますよね。
さて、そうなりますと、競争は結果どうなるのか?当然ですけれども、受験生がそれだけ多く集まってきているわけですから、その区は結果として激戦ということになってきますよね。
ということで、皆さん方だけじゃなくて、他の受験生の行動も組み込んで考えてみると、採用人数が多い区の方が入りやすいという理屈は成り立たなくなってくるということがここで言えそうですよね。
ということでもございますので、採用人数の多い方が入りやすいということはございませんし、これは逆もまた然りです。
すなわち、採用人数が少ない区というのは、それだけ「ここ採用人数少ないからきっと入るのは無理だな」ということで、諦める人、すなわち他の区を希望していく方が増えるわけですね。
つまり、採用人数の少ない区というのは、その採用人数の少なさ故に、そこを志望してくる受験生も相対的に減少するのではないかという風に考えることができます。
そうなると、少しの受験生しかその区を志望していないという形になってきますので、結果として競争がすごく激しくなるということは別になさそうな感じがいたしますよね。
以上の理由により、採用人数が多いから入りやすいとか、あるいは採用人数が少ないから入りにくいとか、そういったことは必ずしも成り立ちません。
ということでもありますので、採用人数だけを見てここの区にしようかな?と選んでいくのは、あまり推奨できないというのが私たちの意見であります。
人気区・不人気区
次に「人気区・不人気区という観点で希望区を選んでいく」こういう考え方についてもご案内をしていきたいと思います。
まず、そもそも皆さん方が「人気区」と言うときに、例えばどこをイメージしてらっしゃるでしょうか?
おそらく、直感で物申しますけれども、渋谷区とか港区とか千代田区とか、このあたりをイメージしてらっしゃるんじゃないかなと思うんですね。
こういったイメージというのは、確かに我々の中に存在しているように思われます。「ここは人気そうだからやめておこう」とか、そういった形で意思決定を下そうとしている方も多いと思うんですね。
ですけれども、そもそも経験者採用に限って申し上げるのであれば、ここの区が圧倒的に人気でここの区は全く人気がありませんねということは、あまりないとお考えいただいて大丈夫かなと思います。
すなわち、経験者採用の場合には、誰がどこの区を選ぶのか?ということに関しては、わりと散らばりがある。特定の区にものすごく人気が集中しているとか、そういったことはあまりないというのが実態だとお考えいただいて大丈夫だと思います。
これは、特別区Ⅰ類すなわち大卒程度試験の場合には、必ずしも当てはまらないんですよ。
というのは、Ⅰ類採用試験を受けている方々というのは、主に大学生が中心になっていますよね。大学生は社会人と比べたときに、遥かにイメージ先行で希望区を選んでいるなと私自身は感じています。
実際、以前勤めていた予備校においては、私は主に大学生を相手にしていましたけれども、そこでデータを集めてみますと、いわゆる人気区というところに希望3区が集中しているなという傾向がやはり存在していました。
しかし、社会人を専門的に指導しているGravityにおいて統計データを集めてみますと、いわゆる人気区に希望3区が集中するということは全くございません。
かなり満遍なく、色々な区を皆さん方希望なさっているというのが実情であります。
ここに関しては、昨年の特別区経験者採用において最も多い最終合格者を輩出しているGravityのデータに基づいておりますので、ぜひ皆さん方にあっても信用していただければと思っています。
ということで、特別区経験者採用に限って申し上げるのであれば、人気区とか不人気区とかそういったものはあまり明確に存在しているものではございませんので、皆さん方にあっては例えば「ここ人気そうだからやめておこうかな」とか、そういった形で意思決定をする必要はあまりないと私自身は考えております。
そして、重ねて申し上げますと、例えばある区が仮に人気区だったとしましょう。その場合には、「この区は人気そうだから受験やめておこう」という受験生が一定数発生するはずですよね。
ということになってくると、人気区を避ける人が一定数出てくるということになりますので、結果としてはそれほど人気ではないぞという話になってくるわけですね。
ということで、理屈としては採用人数のときの話と非常に似ておりまして、「ここ人気そうだな」ということになるとそこを避ける人が一定数出てくるので、結果として人気区はそれほど人気区ではなくなるといった現象が発生すると考えられます。
ということでもありますので、やはり皆さん方にあっては、人気区だから不人気区だからとか、そういった考えに基づいて希望3区を選んでいくというのはあまり推奨しないというのが私どもの考えであります。
基本的な考え方
ということになりますと、じゃあ結局どういう考え方に基づいて希望区を選んでいけばいいんだよ?という話になってくるわけですけれども。
ここに関しては、これまでの動画でも繰り返しご案内してきたところではあるんですけども、私は2つの観点に基づいて決めていくのがいいのではないかと思っています。
その2つというのは何なのかと申しますと、「感情」と「論理」ですね。
1つ目の「感情」というのは何かと申しますと、これは端的に申し上げてしまいますと、縁とか馴染みとか愛着とか、そういったものに基づいて選んでいくのが良いのではないかと思います。
すなわち、愛着があるとか縁があるとか馴染みがあるとか、こういった感情的なところで選んでいきましたというのって、皆さん方自身が面接ですごく話しやすいと思いますし、聞いている面接官側にとってもなんでここを選んだのかな?というのがストンと理解できると思うんですよ。
実際、私自身も特別区経験者採用を受けたときには、この「感情」に基づいて希望区を選んでおりました。
例えば、私自身は第1希望区が新宿区でありましたけれども、私は大学院生のときに新宿区に住んでいたんですね。一番愛着を感じるのは新宿だったので新宿を選びました。という風に、人事委員会の面接においても区面接においてもどちらでも話していました。そして、面接官側もそれに対して何か嫌なツッコミをしてくるとか、圧迫をしてくるとか、そういったことは一切ございませんでした。
ということで、ぜひ皆さん方にあっても、まず1つの考え方として「感情」というところに着目して区を選んでいくといいんじゃないかと思います。
2つ目ですけれども、これは「論理」ですね。
もっと噛み砕いてご案内をいたしますと、例えば自分はこういった取組に従事していきたい、その取組に関して力を入れてる区とか、そういった観点で選んでいくのがもう1つの考え方としてあるんじゃないかと思います。
これに関しても、私自身を例にご案内をしていきたいと思うんですけども。例えば私の場合には、特別区で携わりたい仕事というのは「多文化共生」という分野と「教育」という分野でした。
これを踏まえて考えたときに、例えば私の第1希望区である新宿区は、23区の中でも外国人住民比率が非常に高いことで知られています。そういった事情もあるので、新宿区自身が多文化共生に力を入れているわけですね。ということで、自分自身は多文化共生をやりたいという思いがあったので、だったら新宿区だなということで新宿区を選びました。
それ以外にも、例えば私は第3希望区を足立区としていましたけれども、足立区は今もそうですし昔もそうだったんですけども、教育分野に非常に力を入れているんですね。例えばですけれども、区立の小中学校に通っている子どもたちに関して、足立区は独自にデータを集めた上で、それを大学などと連携しながら教育に関してのデータ分析を非常に積極的に進めていた区です。
ということで、足立区は自分自身が携わりたいと思っている教育分野、ここにドンピシャで力を入れているなという風に感じましたので、第3希望区として足立区を選んでいったという形になります。
今聞いていただいて、おそらく皆さん方としても「そういう理由でここを選んだんだ」というのがおそらくストンと落ちたんじゃないかと思うんですよ。これは、当日の面接官も全く同じ印象を持つと思うんです。
つまり、「自分自身はこういう分野に携わりたいと思っている、そしてこの区はこの分野にまさに力を入れている、だからこの区を選んだんです」というのって、すごく理解しやすいストーリーだと思うんですよ。
ということで、ぜひ皆さん方にあっても、この「論理」という考え方も1つ参考にしていただければなと思っております。
ということで、今ほど申し上げた「感情」と「論理」、このどちらかもしくは両方を組み合わせた上で、希望3区を選定していただきたいと考えております。
区面接を見据えよう
ここまでの話を聞いていただいても、やはり採用人数とか人気区・不人気区とか、こういった観点に基づいて決めた方がいいんじゃないのかな?そういう風にお考えの方もいらっしゃるとは思うんですよね。
しかし、最終合格後に行われる区面接まで見据えて考えますと、やはり採用人数とか人気区・不人気区だからとか、そういった理由で希望区を選んでしまうのは私は危険ではないかなと思います。
一昨年までの特別区経験者採用においては、最終合格さえしてしまえばどの受験生も基本的には第1希望区から連絡があって、その区で内定ということで働くことができました。
しかし、昨年からここの部分に関しては、明らかにゲームチェンジが起きています。
最終合格の順位によっては、第1希望区ではなくて第2希望区・第3希望区、あるいはもっと言いますと、全く関係のない区から連絡がくるということも昨年は多発いたしました。
もっと申し上げますと、一昨年までは発生していなかった区面接で落ちるという事態も多発しています。
そして受験生の中には、区面接で落ち続けた結果として、採用漏れになっている人も現に発生しているわけですね。
ここで何を強調しているのかと言いますと、要するに一昨年までは最終合格してしまえば良かったけれども、昨年からは区面接まで油断できない戦いになっているということであります。
それを踏まえて考えてみて欲しいんですけども。例えば皆さん方が最終合格をなさって、希望区から区面接に呼ばれたとしましょう。そういたしますと、そこでは当然ですけれども「なぜ、うちの区を選んだのか?」という志望理由あるいは選定の理由というのを聞かれることになります。
そこで、もしも皆さんが採用人数に基づいて選んだとか、あるいは人気区・不人気区だから選んだということになってしまいますと、そこで真っ当な説得力のある志望理由を話せないということになってきますよね。
一方で、例えば自分自身の感情あるいは論理、こういったものに基づいてその区を選んだということであれば、区面接に入ってからもなぜここを志望したのか?ということを堂々と説得力を持って語れるに違いありません。
ということで、区面接まで見据えて考えるということになりますと、やはり採用人数だけとか、あるいは人気区・不人気だからとか、そういった理由だけである区を選んでいくというのは危険だと言わざるを得ません。
ということでもありますので、ぜひ皆さん方にあっては、今回の記事の内容を参考にして、ご自身なりにしっかりと志望理由を語れそうな区をご自身で選んでいただきたいと思っております。
なお、希望区選びについてはGravity講師の森田りさ先生が非常に優れた記事を書いてらっしゃいますので、下記のリンクから一読することを推奨いたします。
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