【公務員試験】論文・作文の減点事項5選!

今回は、公務員試験 論文・作文の減点事項5選というテーマでお届けしたいと思います。

おそらくこれを見ている皆さん方にあっては、そろそろ時期的に論文とか作文、トレーニングに入っている頃かなと思うんですけれども。多くの方は論文・作文対策を始めると、高得点を狙おうといきなり考えてしまうんですよね。私も受験生だったので、気持ちはすごくよく分かる。

だけれども、まず初学の方が論文や作文を始めたてのときに意識すべきなのは、高得点を狙うというよりは、低評価になるような要因を排除していくということが大事だと思うんですよね。

有り体に言っちゃうと、高評価を狙うよりも減点になる要素をいかに減らしていくか。入口のところではそういうところを意識した方が、たぶん生産的なんじゃないかなと私自身は思っています。

ということでもありますので、社会人受験生の論文や作文を拝読している中で、これは結構減点になりやすいという要素がいくつかございますので、それらについて今日はご案内したいと思います。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

①文字数の過不足

1つ目が、文字数の過不足です。

ご存知の方も多いと思いますけれども、公務員試験の論文・作文においては、文字数の指定があるのが一般的ですよね。例えば、典型的には「○○字以内」とか。「○○字程度」という形での指定もしばしば見かけますよね。

論文や作文を書くときには、もちろん内容的に洗練されていることは大事でありましょうけれども、まずはこの指定された文字数をきっちり守っていく。これが入口のところではすごく重要かなと思います。

すなわち、ついつい文字数を無視して書きすぎちゃったりとか、指定された文字数に全然届いてないとか、そういったことを避けていこうということですよね。

具体的なイメージをご案内していこうと思うんですけれども。例えば先に申し上げたように、論文・作文では「○○字以内」と指定されることがありますよね。

このときに考え方は色々あると思うんですけども、私自身は「○○字以内」とあったら、せめてその文字数の8割程度は埋めないとダメじゃないかなと思います。例えば「1000字以内」と指定があった場合には、せめて800字は書きたい、そういったイメージです。

それ以外にも、先に申しました「○○字程度」というのもあったりしますよね。例えば「1000字程度で書きなさい」みたいな。これも色々な識者によって見解はあると思うんですけども。私自身は±1割程度に収められるといいんじゃないかなと思います。「1000字程度」ということだったら、900~1100字の範囲には納めていきたいというイメージですね。

これはあくまでも1つの目安に過ぎませんけれども、いずれにいたしましても、論文や作文を書き上げるときには、文字数の過不足というのはやはり大きな減点対象になり得るので、ぜひこのあたりは意識してほしいと思います。

②字が読めない

2つ目が、「文字が読めない」ですね。何を言ってるの?と思うかもしれないんですけども。

公務員試験で論文・作文対策が本格化してくると、私も添削をすることがしばしばあるんですけども。そのときにどうしても、文字が読めない方というのがいらっしゃるんですよね。

例えばなんですけども、何と言いましょうか、ミミズが這ったような文字とはよく言いますけれども。それ以外にも、アラビア文字みたいな。そういった形になっちゃっている方、少なくないんですよね。

文字が読みにくいというのは、様々な原因が考えられるんですけども、大きなものとしては2つあるんじゃないかと思っておりまして。

1つ目が、文字が小さいパターンです。これはなんとなく皆さんも分かりますよね。文字が小さいと、どうしても読むのが大変になってくるじゃないですか。2つ目が、文字が汚いパターンですね。例えば、書き殴ったような感じになってたりとか。そうなると、やっぱり読み手としては「ん?」という形になっちゃいますよね。

ということで、以上2つが文字を読みにくくしている大きな原因かなと思うわけですけれども。ということは、これ裏返しますと、この部分を意識するだけでも読みやすくなるということですよね。

もっとハッキリ申し上げましょう。皆さん方は、文字を書くときに2つのことを意識してみてほしい。

1つ目が、文字を大きめに書くこと。もちろん、すでにある程度文字を大きく書いている方は気にしないでいいんですよ。でも、ちょっと自分の文字小さいかもなという方に関しては、ちょっとだけ大きめに書くだけでも抜群に文章が読みやすくなるので、ぜひ試してみてほしい。

2つ目が、文字をハッキリ書くこと。書き殴ったりとか、「とめ」・「はね」がしっかりしていない感じじゃなくて、ハッキリと文字を書くということを意識するだけでもかなり変わってくると思います。

ということで、皆さん方が読みにくい文字を書いてしまった場合には、それはやはり減点対象になったり、あるいは論文や作文の採点者の心証を悪くする原因にもなりますので、ぜひ皆さん方は読みやすい文字を書こう、と。そして読みやすい文字といったときには、大きく書くこと・ハッキリ書くことの2つを意識してみてほしいと思います。

③文学的表現

3つ目が、文学的表現についてです。どういうことかを説明するために、私自身が実際に目撃したことのある文学的表現をご案内したいと思います。

例えば皆さん方、論文とか作文とか過去問のテーマをパーッと見たことってあると思うんですけども。作文で比較的よく見かけるテーマの1つに、例えば「友人について」とか、そういったものがあったりしますよね。もちろん組織によっては、友人というよりかは「友情について」とか「親しい友人について」とか、そういった表現のこともありますけれども。

そこでは例えば、自分の経験に引きつけながら、友人についてとか友情について書いていくことになるわけですよね。でもそのときに、私が過去に教えたことのある、とある受講生の方が、作文の一番最後の表現にこんな一文を書いてたんですよ。

「友人がどうしているか、私は知らない。」

いや、芥川龍之介じゃないですか。羅生門か!みたいな。「下人の行方は、誰も知らない。」じゃあないんだよって。

でもこれって、文学作品としては結構クールな感じがしますよね。なんとなくカッコイイなみたいな。

だけれども、公務員試験の論文や作文においてそういった文学表現が求められているかというと、決してそんなことはないですよね。特に、文学作品とか小説とかがお好きでそういうのを読み込んでる方だと、そういったクールな表現というのが、つい論文とか作文にも入ってくることがあったりするんですよ。

でも、繰り返しになりますけれども、公務員試験の論文や作文においてはそういった文学的な表現というのは求められておりませんので、そういった表現を多用しすぎると、もしかしたら「公務員試験の論文や作文についてちょっと勘違いしてるのかな?」という風に解釈されかねません。

ですので、ぜひそういったクールな表現を多用しすぎることのないように、注意してほしいなと思います。

④テーマとのズレ

4つ目が、テーマとのズレです。これは論文試験の中でも、特定の政策課題について書くタイプの論文で非常によく見かける減点事項なんですけれども。

例えば数年前に、論文についてSNS上でこういった言説が非常に多くありました。「困ったときには本論のところで”公聴の充実”を書いておけば大丈夫だ」みたいな。そういった言説がSNS上で一時期流行ったことがあったんですよ。困ったらそれ書いとけばいいみたいな。

でも、私はこれはどう考えても間違っていると思っていました。どういうことかと申しますと、「公聴の充実」というのはものすごくザックリ言うと、「地域住民の意見をしっかり聞いていこう」ということですよね。こういった打ち手が大事になるシーンというのは、確かにあると思うんですよ。

例えば、「住民満足度の向上」というテーマだった場合には、そもそも住民がどういったニーズがあるのかを把握するためには、公聴を充実していくというのは確かに効果的な気がしますよね。ですから、例えばそういったテーマだった場合には、公聴の充実というのは確かに使えると思います。

しかしですよ。例えば出題されるテーマが、「防災力の強化」だった場合にはいかがでしょうか?

これ、「防災力の強化」に「公聴の充実」がどうつながるのかって、少なくとも一見して定かではないですよね。なんで公聴を充実することが防災力につながってくるのか、全然分からないじゃないですか。もちろん、その部分の補足説明をしっかりできているということだったら話は別かもしれません。

でも、先ほど申し上げたように、当時は少なくとも「公聴の充実はとりあえず入れておけばそれだけで大丈夫だ」という言説が中心でした。でも、どう考えても今の話で分かりましたよね。防災と公聴の充実、少なくとも直感的にはどうつながっているのかが分からない。

となってくると、これは結果的には、テーマからズレたことしか書いてないという話で減点対象になりそうですよね。

ですので、例えば皆さん方にとって、本論で自分なりに書きやすいものって確かにあると思うんですよ。でもそれが、出題されたテーマと本当にしっかりリンクしているのか・つながっているのか。少なくとも初見の読み手にとって、これがつながっているなと感じられるかどうかというのは、もう一度考えてみたほうがいいと思います。

繰り返しになりますけれども、本論で書かれていることとテーマが明らかにズレているという場合には、明確に減点対象になると思いますので、安易に「こう書いときゃいいんだ」というような、ある種一撃必殺の技に頼ることなしに、もう一度自分自身でテーマと本論で書く内容がしっかりリンクしているかどうかを振り返るクセをつけていただければなと思います。

⑤抽象論ばかり

5つ目が、抽象論ばかりというものですね。これも、論文で目立つかなという印象があるんですけれども。特に、論文の本論の部分ですね。ここで書かれている内容がすごく抽象度が高い。

すなわち、具体的に行政が何をどうすべきなのかというのが全然書かれてない。こういったパターンの論文を、添削しているとよく見かけるんですよね。

例えば、先ほどのテーマを考えてみましょう。「防災力の強化」が出てきたとするじゃないですか。そのときに本論を読んでみると、威勢のいい言葉が並んではいるんですよ。例えば「自助」とか「共助」とか。「迅速な防災体制の構築」とか。そういった言葉が並んでるんですけども。

よくよく読んでみると、「自助と共助の力をどう高めていくのか」についてほとんど触れられていない。あるいは、迅速な防災体制の構築といったときに、「その地域において具体的にどうやって防災体制を構築・強化していくのか」について具体的な内容が書かれていないということも少なくありません。

こうなってしまう理由には、様々なものが考えられると思いますけども。その理由の1つとして、私自身は行政に対する理解(自治体研究)の不足が挙げられるんじゃないかなと思います。

どうしても、行政への理解が不足していたりとか自治体に対する理解が足りていないと、抽象的なことしか書けなくなってきますよね。知っていれば具体的な内容も書けるんだけれども、それを知らないと、どうしても薄ぼんやりした内容しか書けないじゃないですか。

ということでもありますので、ぜひ皆さん方も論文を書いていくときには、自分の書く内容が抽象論ばかりになっていないかというのは気をつけてほしいと思いますし、仮に抽象論ばかりになっているなと思ったときには、もう一度行政に対する知識を入れたり自治体研究をやってみたり、そういったことも意識してみてほしいと思います。

ということで、今回動画でお届けしたい内容は以上となります。

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この記事の筆者
筒井夢人

社会人採用研究所を運営している筒井夢人と申します。プロ講師として、社会人採用の指導を専門的に行ってきました。なお、自身も社会人採用枠を受験しており、特別区・横浜市・仙台市・国家公務員(係長級)などに最終合格しています。

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